地産地消について考える(まとめ編)~海から受け継ぐ食文化④
これまで、「海から受け継ぐ食文化」シリーズの記事を3回にわたり、地元の鎌倉産ワカメをおいしい給食として子ども達に渡るまでをご紹介してきました。
子どもたちのために、たくさんの鎌倉のワカメを獲って加工し、調理場へ届ける漁師さん。
漁師さんから届いたワカメを素早くおいしい給食へと調理をする調理員さん。
給食メニューを考案しながら子どもたちにワカメが届くまでを解説し、食の大切さを直接伝える栄養士さん。
給食は「おいしい」だけのものではありません。
子どもたちに届くまでには、多くの人々が関わり、様々な物語がありました。
皆さんが思い浮かべる給食はどんなものでしたか?
また、給食は子どもたちが自分たちの住む地域の食材に直接触れ、届くまでを知ることで食を通じた教育の機会にも繋がってきます。
この体験をきっかけに、食の大切さや地元に興味を持ち、将来、様々なことに関わる子どもたちが増えていくかもしれません。
それこそが、食のバトンですね。
これらの積み重ねが、鎌倉の地に綿々と続く文化継承に繋がっていきます。
家庭で機会を作るのがなかなか難しい食育ですが、このような地場のものを味わう貴重な体験ができる「特別な給食」はとても重要なものです。
これからも、子どもたちにそのような給食を提供し続けていけたらと考えています。
しかし、この「特別な給食」の取り組みのキーパーソンである漁師さんが、今、危機に立たされています。
ワカメを獲りに行くなど、漁に出る時は、砂浜に置かれた漁船を手で押して出ています。押して出ることは重労働であり、船が転覆してしまう可能性があります。また、海岸利用者と接触しそうになったり、漁の道具を収納する小屋が台風で破壊されてしまうこともあります。
子どもたちに貴重な体験をさせる給食を継続していくためには、漁師さんがこの地で安全に働ける環境が必要不可欠です。
鎌倉市では、食料の供給だけでない水産の役割をこれからも継続できるように支援するミヅキカマクラプロジェクトで鎌倉地域(坂ノ下)の漁業支援施設整備を進め、地元の漁師さんたちを応援しています。