給食の様子を覗いてみよう!(中学校編)~海から受け継ぐ食文化③
前回まで、漁師さんが鎌倉産ワカメを学校に届ける思いや小学校の給食の様子についてご紹介しました。
皆さんは、鎌倉市立中学校の給食もとても特徴的なことをご存じですか?
「カマスの天ぷら」「イワシのカレー揚げ」「サバの甘辛焼き」――。
まるで海辺の食堂のようなメニューが中学校の給食でも提供されているのです。生徒たちは、鎌倉の地場産物を使った給食を楽しみながら、地元の自然や食文化に関する理解を深めています。
4月27日、鎌倉市立中学校9校分の給食調理を行うハーベスト株式会社の鎌倉工場と鎌倉市立御成中学校3年生の給食の時間にお邪魔してきました!前回に続き、漁師さんから届けられた鎌倉産ワカメを使った給食を作る風景や中学校の給食についてご紹介します。
ワカメが届いてから給食ができるまで
鎌倉の漁師さんたちから直接鎌倉産ワカメを受け取り、調理員さんたちの作業が始まります。
調理員さんたちの後ろにある緑のカゴは、すべて鎌倉産ワカメです。ここでは市内の9つの中学校分の給食を作っています。この日のワカメは40kg。3人の調理員さんでカットしています。すごい量ですね!
調理員さんは、「子どもたちに美味しく食べてもらえるように心を込めて」日々調理をしているそうです。
出来上がった給食はコンテナに入れて、各校に配送されます。
お待ちかねの給食タイム
午前中の授業の終わりを知らせるチャイムが鳴ると、お待ちかねの給食タイム。鎌倉市立御成中学校の生徒たちは手を洗い、ランチボックスに盛り付けられた給食を自分の机に運んでいきます。漁師さんから届いたワカメは調理員さんの手で、「鎌倉産ワカメのサラダ」になりました。
ざく切りの天然ワカメにキャベツとにんじん、ホールコーンを加え、醤油ベースの味付けがされています。生徒たちは美味しそうに頬張っていました。
地元で獲れた天然の鎌倉産ワカメは、歯ごたえがあり主菜のような存在感とのこと。給食を堪能した生徒たちからは、
といった感想を聞くことができました。
地場産品を知る機会に
今回、天然ワカメが給食に提供されたのは、鎌倉の地場産品について生徒に深く知ってもらいたいという漁師さんの思いから。
鎌倉産の天然ワカメが有名なことを初めて知った生徒は、
と話していました。
担任の先生は、「地元で獲れた食材だと知ることで、生徒たちはいつも以上に噛みしめながら食事をしていました。給食をきっかけに、鎌倉にある他のモノやコトにも興味を持ち、理解を深めてもらいたいです。」
栄養士さんは、「給食に鎌倉産ワカメなどの地場産物を使うことは、子どもたちが地域の産業や食文化を知るきっかけとなります。生産者の顔が見えるので、食べ物により親しみを感じることができ、食に関わる人への感謝や理解、地域を大切にする気持ちを育むことにつながります。」と話していました。
コリコリ食感で人気の鎌倉ワカメ
鎌倉のワカメは、食感や味わい、色合いに定評があり、多くの人が買い求める人気商品。神奈川県が指定する「かながわブランド」の水産加工品にも登録されています。
2月15日から3月末頃まで行われる鎌倉のワカメ漁。箱めがねという道具で海中を見ながら竿で収穫する伝統漁法「覗突漁」で行われています。
水揚げ後すぐに湯通しすると、浜辺で天日干しに。浜辺で風に揺れるワカメは、鎌倉ワカメ漁の風物詩です。
魚や海藻、貝などは、私たちの食事の中で欠かせない存在です。
その新鮮でおいしい魚などを皆さんの食卓に届け続け、鎌倉の海を盛り上げていくには、漁師さんの存在と漁業を続けられる環境を整備することが必要不可欠です。
市では、鎌倉の漁業を絶やさず継続していくことができるよう、「ミヅキカマクラプロジェクト」を進め、これからも海のあるまち鎌倉のさらなる発展に努めてまいります。