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みんなで遊べる公園~「遊ぶ」へのハードルをとりのぞく(後編)

こんにちは。みどり公園課の管理担当です。
前編からだいぶ時間が空いてしまいました。検討や整備の様子をリアルタイムではお伝えできませんでしたが、 2024年2月27日に、鎌倉海浜公園由比ガ浜地区の一角に、インクルーシブ広場をオープンしました!

2/27のお披露目会。近所の保育園児が遊びに来てくれました!

前編では、なぜみんなで遊べる公園をつくるのか、またインクルーシブ遊具とはどういうものなのか、他市の事例を紹介しながらご説明しました。

後編では、実際にできあがった広場の様子や、どういう思いを込めてつくったのかを、お伝えしたいと思います。


どこにあるの?

インクルーシブ遊具のある広場は、冒頭でお伝えしたとおり、鎌倉海浜公園由比ガ浜地区につくりました。

海岸沿いで、気持ちよく遊べそうです

では、なぜココにしたのかといいますと、みんなで遊んでもらうためには、遊具だけでなく、次のようなポイントに気を配る必要があると考えたからです。

  • 平らな場所がある

  • 遊具や園路を配置できる広い場所がある

  • アクセスがよい場所である

  • 見守りに一緒に来た人が、休む場所があるなどなど・・・

このような条件にあう公園が、山が多い鎌倉市には多くありません。そのような中で、鎌倉海浜公園由比ガ浜地区のうち、以前から遊具のあったエリアを拡張して、インクルーシブ広場をつくることとなりました。

どんな広場になったの?

では、どんな広場になって、どんな遊具があるのでしょう。
前編でご紹介した、ハードルをとりのぞいていく、みんなで遊べる公園の3つのコンセプトは「楽しむ」「つながる」「感じる」

このコンセプトを基に、障害のあるなしや年齢などに関係なく、それぞれの子がそれぞれの形で楽しめる「みんなで遊べる公園」づくりを目指しました。
また、市民のみなさんへのアンケート結果や、遊具の安全性、耐久性、費用、メンテナンスのしやすさなどを考慮して、どんな遊具を新しく置くのかを検討しました。

そして、導入したのが、次の5つの遊具です。

①大型遊具(複合遊具)
②ぴょんぴょんマット
③くるくるカップ
④すなば
⑤ハウス

①大型遊具(複合遊具)

車いすに乗ったまま登ることができるスロープが付いていたり、目が見えなかったり、耳が聞こえない人が音や触り心地も楽しめます

②ぴょんぴょんマット

マットの上に乗って弾んだり、座って遊んだり、ジャンプができない人でも一緒に楽しめます

③くるくるカップ

お友達と一緒にくるくる回ったり、車いすから乗り降りしやすくなっています

④すなば

テーブル型の砂場なので、車いすに座ったまま遊ぶことができます

⑤ハウス

中に入ってお休みしたり、ゆっくり遊んだり、丘の上にあるので、海を眺めることできます

遊具の特徴は紹介ページがあるのでホームページをご覧ください。

みんなで遊べる公園のくふう

この広場は、遊びやすさや、子ども同士の衝突防止、見守りしやすさなど、遊びのゾーン分けを考えてつくっています。

<動的ゾーン>体を活発に動かした遊びをメインとしたゾーン
<静的ゾーン>その場でゆとりをもって遊ぶことをメインとしたゾーン
<運動ゾーン>運動して遊ぶことをメインとしたゾーン

動的ゾーン

動きを楽しむインクルーシブ遊具や、インクルーシブな要素の部分、チャレンジングな要素の部分、両方がある大型の複合遊具があります。元気いっぱい遊べます。

静的ゾーン

動的ゾーンのにぎわいから離れるように、小山を2つつくって、その間には、しゃがなまなくても遊べるすなばや、片方の小山のてっぺんには海が眺められるハウスを置いてあります。静かに遊んだり、お休みしたい子の居場所にもなればよいなと思っています。やさしく遊んでくれるとうれしいです。

運動ゾーン

これまであった鉄棒やクライミング遊具をそのままに、足元にはやわらかいゴムチップをしいたので、頑張ってトライしてみてください。

ちなみに、インクルーシブ遊具のある広場の東側、若宮大路の側にある「お山」はそのままなので、これまでと同じように坂道をかけまわったり寝転がったりして過ごせます。

見守ってもらえるから、安心して遊べる

子どもたちがめいっぱい遊ぶには、それを見守る保護者の存在も大切だと思っています。みなさんにご協力いただいたアンケートでは、休憩スペースの不足や、日陰がないことへのご意見もいただきました。

広場の検討には子育てを経験したり、真っ最中の職員も参加しており、元々見守る人への気づかいも必要だと感じていたところに、そんなお声の後押しも受け、遊具だけでなく、屋根のあるあずまやをつくって日陰を増やしたり、新しく設置した遊具のそばにベンチを配置しています。
このベンチは、ただのベンチではなく、縁台型に四角くなっていて、小さいお子さんのお世話などがしやすくなっています。

休憩にぴったりのあずまや
いろいろできて、広々使えるベンチ

鎌倉市オリジナルのイラスト看板

最後にもう一つ、そんな思いを広場でも知ってもらうための工夫を紹介して終わりたいと思います。

新しい遊具のそばにあるイラストの説明板、これまで見たことのない遊具も多いと思うので、遊び方や注意してもらいたいことを、鎌倉市オリジナルのデザインでお知らせしてます。

できることや注意してもらいたいことなど、工夫して書いてあるので、注目して見てみてくださいね
右下の二次元コードを読み取ると広場の説明が見られます

広場の未来への想い

2021年にインクルーシブ遊具広場を鎌倉市内につくることになってから、様々な条件をクリアし、海の見える鎌倉らしさや、これらの工夫を詰め込んで、2年半かけてしまいましたが、この広場をつくることができました。

遊ぶことへのハードルをとりのぞいていきたい・・・。
インクルーシブ遊具広場をつくったのは、その課題を解決するための第一歩です。

また、この広場を通じ、遊具や施設をつくっただけでなく、その使い方やいろんな人が一緒に使うことについての気づきの場、仕掛けの意味を考えてもらうきっかけになったらと思っています。

(みどり公園課)

#インクルーシブ広場