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ミヅキカマクラプロジェクト~漁業支援施設のイメージ

こんにちは、農水課の水産スタッフです。

これまで5回のシリーズにわたり、「なぜ、鎌倉に漁業支援施設が必要なのか?」について説明してきました。

ミヅキカマクラプロジェクト、海からマナブ、ツドウ、トルの拠点づくり〈前編〉
ミヅキカマクラプロジェクト、海からマナブ、ツドウ、トルの拠点づくり〈後編〉
漁業がいかにまちに関わってきたか(前編)
漁業がいかにまちに関わってきたか(後編)
鎌倉地域の海の3つの危険

今回はシリーズの締めくくりとして、施設の具体的な構想について探っていきます。

ミヅキカマクラのコンセプト図

施設を整備する理由

漁師さんや障害者の方々の「就業」、マリンスポーツや散策などの「レジャー」、お祭りなど伝統行事の開催を通じた「地域交流」――。鎌倉の海は市民にとってさまざまな役割を果たしています。これまでに説明してきたように、こうした活動を「より安全に」継続させていくためには拠点が必要です。その拠点として鎌倉市が鎌倉地域に整備を検討しているものこそが、漁業支援施設なのです。

施設の整備で実現する3つの安全

それでは、「より安全に」の意味を解説しましょう。
まず、漁師さんの「安全な労働環境」。現在、砂浜に置かれた漁船を手で押して海に出ている漁師さん。大変な重労働ですが、船を係留できればそんな作業も必要ありません。漁師さんの労働環境が改善されることは、鎌倉のおいしいお魚が食べられる食文化を守ることにもつながります。

砂浜からの出漁風景

2つ目は、マリンスポーツや散策など、あらゆる海岸利用者にとっての「安全な海浜環境」。砂浜や波打ち際を漁船が行き来することがなくなれば、海岸利用者との接触の危険がなくなることはもちろん、景観もすっきりします。砂浜が広々と見えて、より開放的な空間になること間違いなしです。

浜のイメージ①(現在→将来)
浜のイメージ②(現在→将来)

3つ目は「安全な住環境」。砂浜には漁師さんの道具を収納している小屋もありますが、これは決して頑丈とは言えません。台風で破壊されて、屋根や壁が砂浜や134号線にまで飛散したこともあるのです。これは危険……。

平成29年10月の台風被害の様子

整備される施設には漁具小屋も集約されるので、そうなれば近隣住民や通行者にとって大きな安心につながりますね。

施設整備で漁師町を実感?!

漁師さんが働く場所といえば漁港ですが、漁港と言えば、いわば「船のたまり場」のイメージではありませんか?しかし、計画中の漁業支援施設の役割はそれだけではありません。
たとえば、漁師さんとのつながり。市民と接する場ができたことで、地引網や船に乗って箱メガネで海中を見学するといった体験型企画も生まれるかもしれません。また、施設を会場として、朝市をはじめとしたイベントの開催も期待できます。鎌倉の漁師町としての一面を色々と感じられそうですね。あなたなら、どんなことを想像しますか?

施設完成後のイメージ(マナブ・トル)
施設完成後のイメージ(ツドウ)

こうした漁師さんとの交流やイベントなどの「ソフト」を、「ハード」である施設が整備されることで確固たるものとする――つまり型化。これこそが、鎌倉市のめざすところなのです。

漁業支援施設の全景イメージ

場所は、国道134号線沿いの坂ノ下地区です。

整備予定地の地図

坂ノ下~由比ガ浜~材木座の砂浜を分断しません。海の環境や生態系に配慮し、坂ノ下にある既存の消波ブロックや海岸出入口にある構造物を活用します。

漁業支援施設イメージ

砂浜に点在する漁船や漁具倉庫を集約。施設から漁船の出入りを行い、漁師さんの作業効率アップ!海岸利用者は今よりも広いスペースを使うことができるようになり、浜を往来する漁船と接触する危険性はなくなります。

「マナブ」「ツドウ」「トル」を集約させた鎌倉の新たなランドマークの誕生へ向け、現在、2022(令和4)年度の漁港区域の指定に向けて行政手続きを進めています。「ミヅキカマクラプロジェクト」によって、海沿いの街に住むメリットがより一層感じられるようになることでしょう。

今回で、「なぜ、鎌倉に漁業支援施設が必要なのか?」についての説明は最後となります。今後とも、ミヅキカマクラプロジェクトをよろしくお願いします。