鎌倉漁協の組合長さんにインタビュー!!
こんにちは広報課 広報戦略ディレクターの林です。
さて、鎌倉地域で「海からマナブ・ツドウ・トルの拠点になる漁業支援施設づくりや関連する活動」を進めていることをミヅキカマクラプロジェクトとして紹介しました。
漁業がいかにまちに関わってきたか(前編)
漁業がいかにまちに関わってきたか(後編)
これから、その鎌倉地域を拠点に漁業を営んでいる方々を、「漁師の横顔」として紹介してまいります。まちの漁師さんのことを知ってもらうと同時に、「わがまちの海」に興味関心をもってもらう機会になればと思っています。
(このインタビューは2021年9月に実施。掲載内容はインタビュー当時のものです)
第1回は、鎌倉漁業協同組合(以下、「鎌倉漁協」)で組合長を務める木村和俊さんからお話を伺いました。
生まれも育ちも坂ノ下、親父もじいさんも漁師だった
林
こんにちは、木村組合長。今日はよろしくお願いします。さっそくですが。木村組合長は漁師になってどれくらいになるのでしょうか?
木村組合長
現在58歳で、中学生のときから親父の船にのって手伝っていたから、漁師歴はゆうに40年を超えますね。生まれも育ちもここ坂ノ下です。
林
まちでお会いする方で「生まれも育ちも鎌倉です」という方はいらっしゃいますが、「生まれも育ちも、ここ坂ノ下です」というのは珍しいですね。
木村組合長
家業が漁師でしたから。わたしで5代目。
わたし ー 和男(父)ー 滝五郎(祖父)ー宇之助(曾祖父)ー 清十郎(高祖父)。
ここまでは漁師をやっていたことは分かっているけど、その先は分からないの(笑)
林
木村組合長は、どういった漁をやっているのでしょうか。
木村組合長
坂之下・材木座でおこなわれる漁業は沿岸漁業。漁法は多様です。エビ網、三枚底網、カマス狩刺網、タコカゴ、覗突き漁、ワカメ養殖といったように季節によって漁をおこなっています。
林
漁協といえば、岸壁がある漁港のそばにあるイメージがありますが、ここ鎌倉漁協さんに漁港はないですね。
木村組合長
おっしゃるとおりで鎌倉漁協には拠点となる「港」がありません。ここで、漁業を営む人たちは砂浜から船を押して出漁しています。出漁のたびに船を載せた台車を、ある程度の水深がある瀬まで運んで船をだすのです。
林
なるほど、想像するだけで重労働ですね。港があれば十分な水深があるので、船を岸壁に係留することができるのですね。
木村組合長
港を拠点として持たない漁協は、今の日本ではあまり存在しないと思います。
私たち漁師にとって重労働なだけでなく、マリンスポーツや浜を散歩する人たちにとっても危険です。朝などサーフィンを楽しまれる方がいるときには、漁師達は細心の注意を払って沖へ船を出しているのです。
林
そういえば、私がサーフィンしていたとき、船がゆっくり走って沖へでていました。漁師の方々がそんな意識をもって船を出されていたとは思いもよりませんでした。
木村組合長
みんなの海だからね。
漁をする私たちもいるし、スポーツをする人たちもいる。お互いを尊重してやっています。ただ、危険なことはかぎりなくゼロに近づけたいこともあって、「漁業者が安全に船を出し入れでき、皆の安全を守るための施設(港)」の必要性を鎌倉市と話しています。「安全に」というのはわたしたち漁業者だけでなく、マリンスポーツや散歩を楽しむ人たちの「安全」も含んでいるのです。
まちの人に、地の物(じのもの)を食べてもらう
林
現在、新型コロナ感染拡大防止のこともあって休止されていますが(2021年9月現在)、組合事務所近くのホテルで月1回開催している朝市は大人気ですね。私も何度か足を運んだことがありますが、あっという間に魚がなくなってしまいますね!
木村組合長
鎌倉漁業の組合員が約50人いますが、みんなで協力して朝市は開催しています。(1月~3月、8・9月はお休み、 2022年6月5日(日)から再開)組合員みんな、やっぱり地元の人に、地の物を味わってもらいたいし、「こんな魚が獲れるんだ」ということを知って欲しいのです。
林
子ども達に「地の物」を味わってもらう取り組みもされていると聞きました。
木村組合長
若手の組合員が中心になって、鎌倉産の天然ワカメを市内の小・中学校に納品しています。
林
子ども達は、あの天然ワカメを給食で食べることができるのですか!?
いいな〜、歯ごたえがあって美味しいですよね。
木村組合長
この鎌倉の海で獲れた物を、子どもたちに味わってもらってその味を覚えてもらう。
できれば「美味しい」と感じてもらって、まちの海を誇りに思ってもらいたいと思っています。
いかがだったでしょうか、木村組合長のお話。
私は鎌倉に住んで働いていながら、坂ノ下・材木座に約50人からなる鎌倉漁協があることを知りませんでした。
また、漁にでる船がマリンスポーツをしている人との接触がおこらないように細心の注意を払って出漁されていることも今回初めて知りました。
灯台もと暗しとは、このこと!
木村組合長のお話、この1回で書ききれなかったので、次回「海を育むこともわたしたちの役割」で続きをお送りしたいと思っています。
広報戦略ディレクター
林マサツグ