植木剪定材がチップにうまれかわるまで~緑の資源の地産地消~
みなさん、こんにちは!市民ライターの原です。
突然ですが、みなさんは、鎌倉市内で出された枝や葉などの「植木剪定材」が、どのようにリサイクルされているかご存じですか?
実は、いったん関谷の剪定材受入事業場に集められたあと、茅ヶ崎市内のリサイクル施設でチップ状の土壌改良材にうまれかわり、鎌倉市内で再利用されているのです。
以前「容器包装プラスチック」の分別後の流れについてお伝えしましたが、本日はチップ化までの流れや作業現場で起きている困りごとについて、リサイクル施設の現地からレポートします!
「収集・選別・破砕」して植木剪定材をチップ化!
先程もお伝えしましたが、鎌倉市内の家庭で出された植木剪定材は、いったん関谷の剪定材受入事業場に集められます。
そして、株式会社都実業が運営する茅ヶ崎市赤羽根のリサイクル施設にトラックで運ばれるのです。
こちらが都実業の剪定材リサイクル施設です。とても広々としていました!
都実業の管理部長・宗貴嗣さんに、施設内を案内していただきました。
宗さん「鎌倉市から届いた植木剪定材は、こちらの施設でチップ化します。これは、バイオマス燃料や土壌改良材などに再利用されるのです。さぁ、作業工程をご紹介しましょう」
1 家庭などから収集した袋のまま一カ所に集める
植木剪定材の束と袋は一カ所に積み上げられ、次に袋を破る工程に移ります。
あれ?剪定材は透明・半透明の袋で出す決まりのはずですが、よく見ると、土のう袋などが……。なかには、枝や葉以外の不要物も目につきますね。
2 枝や葉っぱ以外の不要なものを手作業で取り除く(選別)
枝や葉以外の不要物を、施設の職員さんがひとつずつ手作業で取り除いていきます。選別は通常9人ぐらい、剪定材の量が多い時期は20人がかりで行うのだそうです。大変な作業ですね。
3 破砕機でチップ化する(破砕)
不要物を取り除いた植木剪定材は、大型破砕機で1cmぐらいに細かく破砕されてチップとなります。一方、破砕の粗いものは都実業が行うバイオマス発電の燃料として再利用されるのだそうです。
鎌倉から排出された植木剪定材は、多くの人の手をかりてチップ化され、大切な緑の資源として地産地消されているのですね。
困っています!不要物混入で作業と費用の負担増加
原「植木剪定材の出し方で、気をつけてほしいことはありますか?」
宗さん「袋に不要なごみは入れないようにしていただきたいですね。今日も黒いビニール製のポリポット、紙パック、箸、チラシなどの混入物がありました。砂や土などが一緒に入っていることもあります。」
原「そんなさまざまな混入物があるのですね。」
宗さん「こういうものが入っていると、除去作業の負担が増えるだけでなく、スムーズな資源化の妨げにもなるのです。過去には、鎌、シャベル、キャンプ用ガスボンベなどが混じっていたこともあります」
宗さん「また、鎌倉市が負担する剪定材の処理費用は、剪定材の重量によって決まるので、不要なごみが混じっていると、その重量も費用に含まれてしまうのです。」
たった2日分でも、こんなにたくさんの不要物が混じっているとは驚きです。私も、植木剪定材の正しい出し方をもう一度確認してみます。ご案内いただきありがとうございました!
袋に入れるのは植木剪定材だけ。正しく出しましょう!
不要物が混じっていると、チップ化して土壌改良材にする工程で余計な作業が増えるだけでなく、バイオマス燃料としても不適合になります。さらに、鎌倉市が負担するごみ処分費が余計にかかってしまうのです。
植木剪定材を袋に入れて出す際は、透明・半透明の指定された袋で、枝や草、葉などの剪定材のみを入れるようにしましょう。
ごみは多くの人の手を渡ってリサイクルされます。
鎌倉の緑の資源化がスムーズに進むよう、マナーを守ったごみ分別にご協力をお願いします。
剪定材チップからできた土壌改良材は、鎌倉市内6カ所で無償配布されています。ぜひご利用ください!
今回の取材を機に、私ももう一度ごみの分別について見直したいと思います。皆さんも今までの「当たり前」を変えていくことによって、未来を見すえたごみ収集に貢献していきましょう!