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地域がまちを支えている~自治会町内会のアレコレをご紹介!③「顔の見える関係」が災害に役立つ!?

こんにちは!
自治会町内会を担当している、鎌倉市地域のつながり課の泉と本多です。
前回に引き続き、自治会町内会の紹介をさせていただきます♪

今回ご紹介するのは、非常時に役立つ「地域のつながり」と鎌倉市での実践例です。


地域のつながりで、実際に命が助かった例も!

災害などの非常時に頼りになるのは何でしょうか?
消防署や避難所、市災害対策本部など、いろいろ思い浮かぶかもしれませんが、実は「ご近所さん」や「地域の人」の存在が大きいのです。
地域とのつながりが非常時にどう役立つのか、実例を交えてご紹介します。

事例①阪神・淡路大震災~近隣住民が「助ける」

6,400人以上の死者・行方不明者を出した平成7年1月の阪神・淡路大震災では、約8割の人が家族や隣人の手で倒壊した建物から救出されたという調査結果があります(内閣府防災白書より)。

阪神・淡路大震災の救助主体と救出者数

事例②平成30年7月豪雨~犠牲者ゼロの集落

平成30年7月に発生した豪雨で浸水した愛媛県大洲市三善地区では、家の2階部分まで浸水しましたが、水害に備えて日頃から行っていた自治会単位での避難訓練などが功を奏したのです。その結果、人的被害は発生しませんでした。

「顔の見える関係づくり」の重要性

ここで重要となってくるのが、日頃からの「顔の見える関係づくり」です。防災訓練や避難所の開設など、防災の取り組みは自治会町内会が中心となって実施しています。どんな人が住んでいるのか、何をするべきか、日頃から知っていなければ、すぐに適切な行動はできません。

「お隣の〇〇さんは一人暮らし」
「△△さんの家には、足が不自由な家族がいる」
「□□さんは乳幼児が3人いる」など、
非常時に支援が必要な人がいると知っていれば、避難を手伝ったり、無事か一声かけたりできます。反対にフォローが必要な人も、いざという時に頼れる人がいると安心ですよね。

防犯にも効果あり

また、顔の見える関係づくりは、防災だけでなく、犯罪の抑止にもなります。不審な人や車がいる、小さな子どもや認知症のお年寄りが一人で外にいるなど、「地域の目」が危険に気付いてくれることもあります。
誰もがより安全・安心に暮らせるまちにするために、地域のつながりを強化することで、災害に強く犯罪が起こりにくい体制づくりが構築できるのです。

地域でも防犯・防災の取り組みが始まっています

鎌倉市内にも防犯・防災に力を入れている自治会町内会があります。
その中の1つ、玉縄台自治会の取り組みをご紹介します。

玉縄台特別救援隊「TTQ」

玉縄台自治会には、平成19年に発足した玉縄台特別救援隊=愛称「TTQ」という自主防災グループがあります。

特徴的なのが「要援護者の支援」です。地域に住む「要援護者」を把握し、災害時に安否確認や避難支援などを行います。

活動の際に、呼びかけの回数を重ねることで信頼関係が築けてきている実感があるそうで、以前は登録していなかった人が登録することになったり、若い世代が新たな隊員となったり、「TTQの活動や思いが浸透してきているかな」と隊長の橘川五郎さんは笑顔を見せます。

TTQ隊長の橘川五郎さん

「市からも情報はもらっていますが、地域を実際にまわり、『もしもの時にはお手伝いしますが、登録しますか』と1軒1軒呼びかけていることが功を奏しているかもしれません」と話すのは、TTQ副隊長の吉村正明さん。

TTQ副隊長の吉村正明さん

玉縄台自治会から避難所の小学校までは、遠い場所では徒歩20分ほど。高低差もあります。避難所に備蓄されている食料も収容人数も限りがあり、全員が避難所で生活することは現実的ではないと、数年前から「被災後に自宅で生活するリスク」を考え、各家庭で食料を備蓄するよう呼びかけを強化していると言います。

「災害時以外はこうした呼びかけや見守りが中心ですが、『顔見知りになる』ことや『防災意識を定着させる』ことが大切。
義務感でやるのではなく、必要性を理解した上での防災活動になれば」と自治会長の柳瀨雄三さんは話します。「地域の人でなければ分からない実情も多い」と3人はうなずき合っていました。

玉縄台自治会長の柳瀨雄三さん
地域のことを思って行動される姿はとてもかっこよく見えました!

地域で助け合う「共助」の必要性

災害に強い社会には、行政による「公助」、自分自身で備える「自助」、そして地域が一丸となって支える「共助」の3つの「助」が互いに支え合い、補い合うことが必要とされています。
ですが、大規模災害が発生した場合、自治体の庁舎などの公的防災機能も被災することで行政機能が麻痺し、公的な応急対策が遅れる可能性もあります。そんな時に避難所を開設し、助け合うのは、自治会町内会や住民自身になるのです。いざという時、あなたを助けてくれるのは、近隣の住民や地域かもしれません。

このように、地域で安心して生活していくには、地域とのつながりは必要不可欠です。鎌倉市では引き続き、自治会町内会の必要性を地域にお伝えし、活動が円滑に行えるような支援、加入促進を進めていきます。

地域とのつながりは、”安心できる生活”をもたらす!

これまでご紹介したように、自治会町内会は地域の日々の生活のため、非常時のため、楽しみのために、見えないところで様々な取組を行っています。
このような自治会町内会の取組は、地域のつながりをつくり、地域住民に安心できる生活をもたらしています。
自治会町内会の活動を少しでも皆さんに知ってもらえたら、担当者としてもうれしい限りです。

鎌倉市では、自治会町内会活動が円滑に行えるよう、加入促進の支援を図るとともに、安定した地域社会の形成にこれからも取り組んでまいります。

地域のつながり課が発行している自治会町内会のリーフレット

(地域のつながり課)

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