おウチの前でごみ出しピック~戸別収集を実施している藤沢市に聞いてみた!
こんにちは。環境部ごみ減量対策課の中澤です。
今日は、各家庭のごみを道路に面した敷地内に出し、建物ごとに収集する「ごみの戸別収集」の先行事例を学ぶべく、藤沢市環境事業センターにお伺いしています。既に戸別収集をおこなっている藤沢市の現状について聞いてみたいと思います!
なぜ戸別収集を始めたのか?
中澤:本日はお忙しいところありがとうございます。よろしくお願いします。さっそくですが、藤沢市で戸別収集を始めた理由を教えていただけますか。
藤沢市:戸別収集を実施する前は、集積所に関する課題が多くありました。カラス対策や清掃当番など維持管理にあたっての対応や、不適正排出などさまざまな問題がありました。また、集積所の付近は、ごみが大量に排出されて歩道を塞いでしまい、交通安全の確保が出来ていませんでした。
中澤:鎌倉においても、現在課題となっていることもありますね。
藤沢市:こういった問題を解決するとともに、ごみの持ち出し負担の軽減や街の美観のため、平成19年4月から戸別収集を開始しました。同年10月には、ごみ袋の有料化にも踏み切りました。これは、戸別収集と同時に行うことによってごみの減量や分別、資源化の促進を期待出来るからこその決断でした。
戸別収集になって良かったこと
中澤:戸別収集を開始したことによって何か変化はありましたか?
藤沢市:まずは、なによりも街の景観ですね。ごみが歩道にあふれている集積所も戸別収集により問題が解決され、「街の景観がスッキリした」という声をいただきました。
中澤:交通安全の確保が出来るようになったのですね。
藤沢市:そうなんです。歩行の妨げがなくなりました。また、ごみを荒らすカラス対策にも効果がありました。ほかにも、集積所は自治会や町内会により維持管理されていましたが、設置出来る場所が限られていたため特定の方に管理が偏っていたので、清掃などの負担軽減にもつながりました。
中澤:ごみ出しも楽になりますよね。
藤沢市:もちろんです。市民アンケートで戸別収集になってごみ出しが「楽になった」と回答した人は75%もいました。
戸別収集のデメリットと打開策
中澤:ここまでお話をお伺いしたところ、戸別収集は良いこと尽くしのようですね。あえてお聞きしますが、デメリットはありますか?
藤沢市:それまでの集積所から収集する方法に比べて、当然ながら戸別収集になれば収集員がまわる箇所は圧倒的に増えます。戸別収集を導入したばかりの頃は、どうしても見落としなどによる取り残しが発生してしまいました。この対策にはやはり慣れが一番なので、同じ収集員が同じコースをまわって覚えることに努めました。
中澤:収集箇所が増えると、収集の経費も拡大しますよね?
藤沢市:そのとおりです。そのため、少しでも経費を抑える創意工夫を常に行っています。一度に2品目を収集する「併せ収集」の実施により作業を効率化させました。
中澤:パッカー車を改造する……ということですか?
藤沢市:はい。「併せ収集」は、現場の収集員の声から検討されたものです。当初は2品目目を収集するボックスを手作りし、これをパッカー車に取り付けて効果を検証しました。いきなりパッカー車を改造するとなると、作業が大掛かりになってしまいますからね。
中澤:良いアイデアですね。実際に併せ収集による効果はあったのですか?
藤沢市:経費の負担増は最小限におさえることができました。
中澤:発端が現場の声というのも良いですね。最後に、戸別収集で大変なことがあれば教えてください。
戸別収集で大変なこと
藤沢市:道幅が狭くてパッカー車が入り込めない「狭隘地区」での作業ですね。こうした地域では、回収スピードがどうしても下がりがちになってしまいます。
中澤:鎌倉市も狭隘地区が多いので、戸別収集が実現した際には課題になりますね。
藤沢市:戸数だけではなく、地理的な特性を考慮しながら、一台の収集車ごとの区分けを考えていくことが必要になると思います。
中澤:そうですね。十分に検討していかなければなりませんね。お話をお伺いし、さまざまな市民の生活スタイルがあるなかで、戸別収集は持続可能なスタイルだなと実感しました。
藤沢市:雨の日でも自宅前にだせば済んでしまうわけですから、この快適さを味わったら戸別収集はやめられないと思いますよ。
中澤:どうもありがとうございました。
おわりに
今回藤沢市の皆さんの話を伺って、鎌倉にも通ずるような話が多くありました。「未来をみすえた戸別収集」へ向けて、市民の方がより楽にごみ出しをしていただけるよう、私も一層しっかりと取り組んでいきたいという気持ちになりました。
今回が全4回の最後の記事となりましたが、今後も随時戸別収集実施へ向けた進捗をお伝えしていきたいと思います。よろしくお願いします。