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救急車到着まで8分36秒!あなたは何ができますか?救命講習のDX始まる!

こんにちは!政策創造課スマートシティ担当の松村です!
さて、皆さんは「8分36秒」って聞いて何の時間だと思いますか?







実はこの「8分36秒」、実は鎌倉市で救急車が現場に到着するまでにかかる平均時間なんです。

広報かまくら(令和4年9月号)で、この8分36秒の間に適切な救命処置を行うための準備について特集していますので、あわせてご確認ください。

救命講習のDX?大船消防署の挑戦!

鎌倉市消防本部では、救急隊員が現場に駆け付けるまでの「8分36秒」の間に偶然その場に居合わせた人たちでできることをして、一人でも多くの命が救えるように、普段から救命講習を実施しています。きっと皆さんも一度は受けたことがあるんじゃないでしょうか?私も過去に職員研修で受けたことがあります。

今回は、大船消防署がデジタルを活用してこの救命講習をより「手軽」に、より「多く」の人に受けてもらえるよう、11月21日(月)と22日(火)の2日間で大船中学校2年生、計5クラスの生徒を対象にした「オンライン救命講習」にチャレンジしたので、その様子をお伝えしたいと思います。

早速ですが、こちらがオンライン救命講習の様子になります。

救急救命士が直接生徒に説明します

「え?講師1人だけ?」って思われたんじゃないでしょうか。
そうなんです、オンラインで実施することで、なんとたった1人の講師だけで講習ができるんです。対面で講習を実施する場合、10人の受講者に対し救急救命士1人で対応する必要があるそうです。学校だと1クラス約30人だとすると、3名の救急救命士が現場から一時的に外れないとできないんです。

今回のオンライン救命講習は、従来、対面で実施している日本版救急蘇生ガイドラインに準拠した心肺蘇生法の指導を簡略的に実施するものであり、講習を受講された方に交付される「修了証」も通常のものとは異なります。

新型コロナウイルス感染症の影響で、救急出動が増加しているそうですが、こういった状況の中でも救急出動の体制を維持していくためには、いかに人員をかけずに救命講習をはじめとした市民サービスを実施していくかが重要なんですね。

さて、オンライン救命講習の流れは、
①胸骨圧迫法
②AEDの使用方法
③胸骨圧迫法とAEDを使用した心肺蘇生法
になります。

これまでの対面での救命講習は、救急救命士の説明を受けた後、1人1人交代で人形を使用して①~③の作業を体験していました。今回のオンライン救命講習では、生徒一人一人の机にアクトキッズと呼ばれる簡易式の救命講習用キットが用意されていて、画面上の救急救命士の説明に合わせて、生徒が胸骨圧迫法やAEDの使い方をリアルタイムで学んでいきます。時間も約30分程度で、とてもコンパクトなものでした。

胸骨圧迫はしっかりと体重をかけないといけないんです

そして何より、対面の場合と比べて、受講している生徒の皆さんが、より本当の現場をイメージしながら講習を受けていたのが印象的でした。
というのも、対面で実施する場合、日程や人員の調整が難しいため、学校の先生が救命講習を受講し、その内容をもとに生徒の皆さんに授業を行うケースが多いそうです。やはり、毎日現場に駆け付けている救急救命士から、これまでに駆け付けた現場の様子などをふまえて直接説明してもらえると迫力も違うし、いざそうした現場に遭遇した際のイメージがしやすいですよね。

オンライン救命講習が終わった後、生徒の皆さんからは、「人が倒れているのを見つけた時にどうやって冷静になればいいの?」や「使用したAEDはその後どうすればいいの?」などといった、現場をイメージしたリアルな質問が出てきていて、ビックリしました!

また、先生も、動画を見ながらの受講とは異なり、救急救命士と双方向でやり取りができたことで、生徒がいい緊張感をもって受講できていたとのことでした。

オンラインで救命講習を実施することは、消防の救急現場の負担を軽減するだけでなく、「短時間で受講できること」、「日々現場に駆け付けている救急救命士から直接話を聞けること」の点で、学校側にとってもメリットが大きいんですね。

いざという時、AEDをすぐに持って来られますか?正しく使えますか?

ところで皆さんは、家や職場、普段出かけるところで、どこにAEDが設置されているのか、知っていますか?

AEDの使い方の手順について説明する救急救命士

いざという時は、「今この近くのどこにAEDがあるの?」と慌ててしまい、冷静に探すことが難しい場合も多いそうです。そんな時は、AEDマップ(鎌倉市防災情報マップ内)で調べてみてください!鎌倉市では、市内の公共施設やコンビニエンスストアなどにAEDが設置されています。

ただ、近くにAEDが設置されていても、正しい使い方を知らないと、いざという時に困りますよね?だからこそ、鎌倉市消防本部では、皆さんの身近にあるAEDの使用方法について正しく理解してもらうために、救命講習にとても力を入れているんです。

オンラインを活用してAEDの設置場所がいつどこでも分かるようになっても、AEDそのものを冷静に正しく使用できないと大切な命が救えない。そんな想いから今回の救命講習の取組が始まり、今後、様々な消防業務のDXへと繋がっていくんではないかと感じました。

今回は、市内の公立中学校の保健体育の授業の一環としてのチャレンジでしたが、今後は市内の私立学校や、企業などにも対象を広げていこうと、職員発意で取組を考えているようです。オンライン救命講習なら、短時間で、どこでも受講できますし、日々現場に駆け付けている救急救命士の方の経験をふまえたお話を直接聞くことができますので、こうした取組がどんどん広がっていくといいですね!

講習を担当された大船消防署警備課の大屋さん

さて、今回は大船消防署によるオンライン救命講習のチャレンジの様子をお伝えしました。オンラインを活用して、市内のより多くの人に受講してもらえるように工夫することで、いざという時に一つでも多くの命を救えるようにしているんですね。
オンラインでのサービスと対面でのサービス、それぞれに強みがあり、皆さんのニーズにあわせてそれぞれを組み合わせることで、より多くの皆さんが安心して暮らせる鎌倉のまちにつながっていくのではないでしょうか。


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