鎌倉漁協の最年少、ひと目ぼれして18歳で漁師の道へ~鎌倉漁業協同組合 桑原桃子さん~
現在、鎌倉漁業協同組合に所属する最年少の漁師、桑原桃子さん。この世界に18歳で飛び込み、漁師仲間から「こもも」の愛称で親しまれる女性漁師さんです。
それにしても、「もも」は名前の桃子からと推測されますが、その前に付く「こ」とは――。
人生を決める大きな出会い
中学生だった頃、母の仕事のつながりで人生を決める大きな出会いを果たします。
その人は、鎌倉の漁師である前田桃子さん。偶然にも同じ名前で、「荒々しい男が働く仕事」という印象が強い漁師の世界で活躍する前田さんの姿にひと目惚れしてしまったのです!
また、魚が次々と水揚げされる光景を目の前にして、
と桑原さんは振り返ります。
「こもも」が誕生する瞬間
漁師を夢見る少女は、漁業を学ぶために水産高校へ進学。晴れて卒業を迎えると、憧れの「桃子師匠」のいる網元へ就職しました。漁業関係の周りの方々から「桃子師匠」と呼び名が重ならないようにと、「こもも」の愛称が誕生した瞬間です。
現在は独立し、愛称の「こもも」をつけた「こもも丸」の船長である桑原さん。サザエや鎌倉エビ、カワハギ、ヒラメ、シラスなどを中心に漁獲しています。
と話すイキイキした表情が印象的です。
こもも流『ハマグリごはん』
さて、鎌倉では9月からハマグリ漁が始まりました。こもも流のおすすめレシピは、酒蒸しにしたハマグリの出汁を使って炊き上げる「ハマグリごはん」。仕上げに、カットしたハマグリと三つ葉を添えて完成!
「アサリよりも濃厚でおいしいですよ~」と思わず顔がほころびます。
地域の食文化に貢献する
日々、出漁できる日を見極めて漁を行い、鎌倉のおいしい魚たちを皆さんの食卓に届けることで、鎌倉のまちの食文化を支え続けています。
ただ、砂浜に停留させる船を、波打ち際まで台車で運ぶのは一苦労なのだとか……。更に、波打ち際で船を扱うのは転覆するなどの大きな危険が伴います。鎌倉の漁師さんたちはこの作業を主に1人で行っているそうです。桑原さんのような漁師を志す若者が増えるためにも、働きやすい環境があるといいですね。
市で進めている「ミズキカマクラプロジェクト」に、期待して下さっているようです。
私たちの食事に、魚やエビ、貝など魚介類は欠かせない存在です。
その新鮮でおいしい魚たちを皆さんの食卓に届け続け、鎌倉の海を盛り上げていくには、漁師さんの存在と漁業を続けられる環境を整備することが大切です。
市では、鎌倉の漁業を絶やさずに継続していくことができるよう、安全に漁業を続けられる環境を整える計画「ミズキカマクラプロジェクト」を進め、海のあるまち鎌倉のさらなる発展に努めてまいります。