公務員のための広報研修~受け手の心を動かすチラシのつくり方と広報の生かし方
こんにちは。広報課の広報担当です。
今回は鎌倉市の職員研修の内容をシェア。全国自治体職員のみなさんの参考になればと思っています。
自治体職員の皆さん、「広報」ってどう思っていますか?
去る7月29日に「公務員のための受け手の心を動かすチラシのつくり方と広報の生かし方」と題した職員研修を実施しました。
広報担当の間では参加者集まるかな~、と心配していたところ、募集開始2日で15名の定員が満席に!みんな、「広報」や「チラシのつくり方」に頭を悩ませているのですね。
そもそも広報とは、何か?
まずは、広報戦略ディレクターの林さんからのおはなし。林さんは、このnoteの発起人です。
林さん、民間企業でマーケティングやブランディングの経験もある人なのですが、いまひとつ市役所内でその役割が理解されていません。市役所には様々な課にわたり、小さいものから大きいものまで色々な事業がありますが、「その事業の取り組み方」や「その事業にとっての広報とは」といったことを、デザインする前のプロセスで一緒に考えてくれます。
(林さん、デザインする前の『文脈づくり』が不足していること多いんだよねっ、ていつも呟いています。)
みなさん、「広報」って何か、説明できますか?広報紙や、ホームページ、SNSなどのツールを使用すること、と思っている方が多いのではないでしょうか。もちろん、それも正解ですが、ここでは次のように定義します。
ツールの使いようではなく、受け手視点での情報を発信していくことで、「認知-理解-信用」につなげていく、ということですね。
自治体に求められる姿勢は、公平、公正。ですが、ときに担当する事業の「対象者は?」と問われると「市民全員」と答えていませんか?事業には対象者(ターゲット)がいるはずです。さらにペルソナ(その情報が届いてほしい人)を思い描いて情報を作っていくことで、グッとわかりやすい情報発信につながります。
デザインするその前に、WHY-HOW-WHAT
次は、情報の内容について出し方です。文脈についてと言ってもいいでしょう。
みなさん、実施するコトなどの事実のみを書いていませんか?それだけでは受け手の気持ちに響きません。大事なのは「WHY:なぜするのか」、ということなのです。
主語は「市役所」で考えない。ペルソナ(情報が届いてほしい人)が求めているのはその事によって自分にはどういう影響、メリットがあるのかということ。それにはWHY、なぜそれをやるのか、「大義名分」が大事なのです。どうしてもWHAT、何をするのかに意識が行ってしまいがちですが、「チラシをつくるとき=情報をつくるとき」は、必ずWHYを考えるようにしてみてください。
また、ここでいう「メリット」とは、物理的に「得をする」ということだけでなく、その情報を得たことによって「役に立つ」「うれしい」「楽しい」、つまり「知ってよかった」というココロにプラスになることも、十分メリットということができるのです。
まずはメッセージ、自ら言葉をつむぎだそう
SNS投稿やチラシ・ポスターを作る、となるとやっぱりかっこいいもの、オシャレなものをつくりたいですよね。(林さん曰く「私も20代のころデザイナーさんに、シュッとしたカッコいいものをお願いしまーす」って・・・)
でも、まずは自分で言葉をつくってみましょう。
キャッチフレーズ、ボディコピー、ビジュアル、タグライン・・・
これらは、参考程度に見てもらって構いません。
簡単に説明すると
林さんおススメの優先して考える順序は、次のとおり。
1.タグライン
2.ボディコピー
3.キャッチフレーズ&ビジュアル
必ずしも全てが必要なわけではありませんが、これらを考えてみるよう意識してみてくださいね。
これらが考えられていると、デザインの「その前」の準備としては十分。後はデザイナーを信じて任せきる勇気をもつことが大事です。
長くなりましたが林ディレクターのお話をまとめるとこの3つ。
ちょっと精神論というか心がけっぽいお話になりましたね。事業に生かす広報の戦略・作戦などもありますが、それは事例を主にした別の機会にしたほうが良さそうです。
伝えるための、伝え方
次に、デザイナーの池田さんによる、デザインのおはなしです。池田さんは広報かまくらのデザインの他、このnoteの様々なビジュアルもデザインしています。
伝えるためのその①、興味を引く~見てもらえるかどうかは興味次第
情報を受け取る人にとってのメリットを感じされられるかどうかが、見てもらうためのきっかけになります。「自分にイイことあるかも!」と思ってもらいましょう。そのためには、「いちばん興味を引きそうなメッセージは何だろう?」と考えてみてくださいね。
伝えるためのその②、印象を与える~印象で伝わり方に差が出る
見える印象によって関わりたいという気持ちも変わります。どのような見た目で、どのような言葉で相手にメッセージするか、それによって伝わり方が違ってきます。そのためには「見る人にどんな印象を持ってもらいたいのか?」を考えることが大切です。
伝えるためのその③、わかりすくする~「見やすい」「読みやすい」は理解を早める
わかりやすい文章表現、見やすい見せ方、そのための情報選び。伝えるべきことをスムーズに伝えるために必要な情報を、優先順位を考えながら整理することで理解のスピードが変わります。「わかりやすくする方法、見やすくする方法」を考えることが大切です。
研修の形式は?
市でよく行われる職員研修はいわゆる「講義形式」。じっくり話を聞く、という面では良いのですが、今回の研修は全員参加型で質問を挟みながら行う、というものにするため、あえて机なし、資料なしで実施。
あらかじめ配るとどうしても資料に目が行きがち。熱心にメモを取りながらも、みなさん前を向いて話を聞いてくださり、よかったと思います。
参加者からの感想
最後に、参加者からの感想です。
おわりに
さて、大好評をいただいたこの研修。いただいた意見をもとにバージョンアップして、また行いたいと思っています!