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春をつげる「かまくらワカメ」~鎌倉の海から旬をおとどけ~

こんにちは、市民ライターの原です。
はじまりました、鎌倉でとれる旬の魚介類情報をおとどけする「鎌倉おさかな旬報」note。

記念すべき第1回目は「ワカメ」

 

早春の鎌倉の海辺で、ワカメを干している光景を目にしたことはありませんか?

ワカメを干している光景(※写真はイメージです)

実は、鎌倉の水揚げ量の大半を占めるのが、ワカメとシラスなのだそうです。漁師歴40年の大ベテラン、鎌倉漁業協同組合の木村組合長に、鎌倉のワカメ漁やおすすめの食べ方について教えていただきました。

ワカメ漁は春が最盛期! 

冬の寒さが少しずつ和らぐ時期、鎌倉の海岸では、ワカメが干される光景が見られます。

まずは、ワカメ漁の種類と旬の時期をご紹介。
磯(岩場)に自生した「天然ワカメ」は、覗突漁みづきりょうで収穫します。

覗突漁とは、船上から口にくわえた箱めがねで海中をのぞき、長いカマでワカメなどの魚介類を獲る鎌倉の伝統漁法。天然ワカメの収穫期は、2月20日(口開くちあけ)から4月上旬です。口開の日はその年のワカメの生育状況により異なります。

鎌倉で行われている古くからの「覗突漁」
箱メガネを使って海中・海底をのぞき、長い竿で魚介類を獲っている様子

「養殖ワカメ」は、沖合に設置した養殖筏いかだからホウチョウで刈りとり収穫します。

例年11月に養殖筏を設置して種糸を親縄に刺し込み、ワカメが大きく育った2月初旬に漁が始まります。養殖ワカメ漁の期間は、2月1日~3月下旬です。

とにかく朝が早い! ワカメ漁の一日

5:00  起床
6:00  砂浜から船を海に押し出し、いざ出漁!
     ・天然ものは磯で覗突漁
     ・養殖ものは沖合の養殖筏からホウチョウで刈り取り
8:00  長谷観音の鐘の音が聞こえてきたら漁も終盤
9:00  漁終了、水揚げ
午前中 湯通し→水洗い→竿(さお)につるして天日に干す(まる2日間)

とれたてのワカメは褐色で、長さは約1m。さっと湯通しすると、透けるように鮮やかな緑色に変わります。その後、手間ひまかけて天日干しすることで旨みが凝縮され、保存も利くようになるのです。

鎌倉で水揚げされたワカメは、天然・養殖ともに「鎌倉特産湯がきわかめ」として販売されます。かながわブランドにも登録されており、毎年この時期を楽しみにしている方も多いそうです。

シンプルがウマい。木村さんのイチオシは「おかか醤油あえ」

漁師の木村さんがおすすめするワカメの手料理
湯がきワカメのおかか醤油あえ(※写真はイメージです)

■木村さんおすすめの食べ方

・湯がきワカメのおかか醤油あえ
・ワカメとざく切りレタスの胡麻ドレッシングサラダ
・マグロ、ツナ缶・サバ缶などと、小口のネギ、ワカメをあえたもの

どれも簡単で美味しそうだし、お酒にも合いますね♪

旬のワカメは、味と香りがとても豊か。シンプルな味つけでおいしさが引き立ちます。

栄養素が豊富に含まれているから健康的なうえ、手軽におかずが一品増やせるのも助かります!

・・・ちなみに、鎌倉のワカメは「浜売り」といって、浜で漁師さんから直接買うことができるそうです!(知りませんでした・・・)

また、鎌倉漁業協同組合所の直売所や、漁師さん個人のお店などでも販売していますので、ご希望の方はぜひ問い合わせてみてくださいね。


湯がきわかめとともに、鎌倉漁業協同組合の組合長の木村さん

■今回、ワカメ漁をご紹介くださった木村さん

坂ノ下にある鎌倉漁業協同組合の組合長。子どものころから漁師だったお父様の仕事を手伝い、水産高校卒業後に漁業の道に進まれました。漁師歴は実に40年!日に焼けた肌とたくましい手のひらがいかにも海の男らしいですが、大ベテランでも冬の海は「やっぱり寒い」のだそうです。

鎌倉おさかな旬報note、次回は「シラス」!

こちらも鎌倉の春の風物詩、漁の解禁が待ちどおしいですね。次回もお楽しみに!

Text : 原 悠瑞 (市民ライター)