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まちの悩みごとを地域で共有して解決!市民参加型共創プラットフォーム始動!

お久しぶりです。政策創造課スマートシティ担当の松村です。
政策創造課から記事としてnoteに投稿するのは3月以来ですから、3ヶ月ぶりですね。

さて、最近「持続可能性」という言葉をよく耳にしませんか?英語だと、Sustainability(サステナビリティ)という言葉です。
環境、社会、経済の側面から、将来にわたって現在の社会の機能をきちんと継続していくためのシステムやプロセスのことを指します。

持続可能性の3つの側面

この持続可能性は、環境問題など、地球規模の課題に対する取組でよく使われていますが、最近では「地域課題の解決に向けた取組」や「まちづくり」でもこの持続可能性がとても重要視されています。それは、現在の世代はもちろん、将来の世代に対しても良好な社会を残していこうという想いによるものです。


まちづくりに求められる「持続可能性」とは

政策創造課では、この「持続可能なまちづくり」に向けた新たな試みとして、まちの課題を地域の皆さんが中心となって解決していくための仕組み「市民参加型共創プラットフォーム」の本格的な運用をスタートさせます。

今回は、市民参加型共創プラットフォームのシリーズ第1回として、まちの課題を地域の皆さんが中心となって解決していくための仕組みとは「どのようなものなのか?」また「どのように進めていくのか?」についてご紹介していきます。

この鎌倉も、他の地域と同じように、少子高齢化が進み、社会インフラを維持する担い手が減少しています。そんな社会環境が大きく変化するなか、今ある社会インフラや公共サービスを維持していくためには、限りある人的資源や経済的資源の適正な運用を図り、効率化を進めていくことが求められています。

同時に、ライフスタイルや価値観の多様化が進むなか、それぞれが抱える課題やニーズも多様化しています。だからこそ、地域の皆さんと一緒にまちの課題に対して「何をするのか、どうするのか」を考えていくプロセスから、一緒に取り組んでいく必要があるんです。

官民連携で課題解決に取り組む必要性

でも昔と違って、まちとの接点が少ない中で、まちの困りごとの解決に地域の皆さんが関わるには、どうすればいいか分からないですよね?

世界各地で広がる新しいまちづくりの仕組み

そこで出てくるのが、まちの課題を地域の皆さんが中心となって解決していくための仕組みである「市民参加型共創プラットフォーム」です!

「市民参加型共創プラットフォーム」とは
時間や場所などの制約なく参加可能な「オンラインプラットフォーム」を新たに導入し、これまでのワークショップ等の「対面での議論の場」と組み合わせることで、より多くの市民が政策づくりに参加できる仕組み。

鎌倉市「市民参加型共創プラットフォーム」

こうしたオンラインプラットフォームを活用した政策づくりの有名な事例として、バルセロナ(スペイン)で2016年から運用されている「Decidim」や、ヘルシンキ(フィンランド)で2018年から運用されている「Omastadi」などがあります。選挙の投票率が低下する中でも、若い世代の参加拡大に繋がっているようです。

現在、こうしたオンラインプラットフォームは世界各地に広がっており、お隣の台湾で2015年から運用されている「Join」では、約1,000万人がユーザー登録をしていて、これはなんと国民の約半分程の方が登録していることになるんです。すごいですよね!

世界各地において、地域の皆さんと「持続可能なまちづくり」を進めていくにあたり、このオンラインプラットフォームが必要とされているんですね。

地域にもっと関わりやすく!自分たちで決める!そんな仕組みとは?

ここからは、鎌倉ではどのように「市民参加型共創プラットフォーム」を活用してまちの課題を地域の皆さんが中心となって解決していくための新たな仕組みを考えているのか、ご説明していきます。

まちの課題を地域の皆さんが中心となって解決していくための新たな仕組みにおける市民参加のプロセスとしては、大きく4つに分類されます。

①情報提供
客観的な情報を市民に提供し、現状について周知する。
②意見聴取
課題、解決策などについて、市民から意見やニーズを幅広く聞く。
③意見反映
市民と、意見やニーズなどを踏まえた解決策を一緒に検討する。
④共同決定
解決策の設計、実施などの局面において市民と協働しながら意思決定を行う。

市民参加のスペクトラム(IAP2)を参考に作成(鎌倉市)

この市民参加のプロセスの①情報提供、②意見聴取、③意見反映において、「市民参加型共創プラットフォーム」により、より多くの地域の皆さんの意見をもとにした課題解決のプロジェクト案を作成していきます。

市民参加のプロセス(情報提供意から意見反映まで)
~市民参加のスペクトラム(IAP2)を参考に作成(鎌倉市)~

市民参加型共創プラットフォームは、オンラインプラットフォームとワークショップの2つの参加形態から構成されます。

オンラインプラットフォームは、スマートフォンなどから自分の意見やアイデアが投稿できるものです。予定を空ける必要もなく、ちょっと時間が空いた時にスマートフォンからまちづくりに参加することができます。
こうした関わり方だと、まちづくりへ参加するハードルが少し下がりませんか?

ワークショップは、地域の皆さんと対面して、一緒に意見を出し合うものです。顔を見合わせて議論するからこそ、オンラインプラットフォームより、活気とスピード感のある議論ができます。また、オンラインでは表現が難しいニュアンスなど、非言語的なところも含めてコミュニケーションを取ることができます。

オンラインプラットフォームによる「議論の発散」とワークショップによる「議論の収束」を繰り返すことで、より多くの地域の皆さんの意見をもとにした課題解決のプロジェクト案を作成していきます。

市民参加型共創プラットフォーム
オンラインとワークショップによる多様な関わり方

さて、地域の皆さんの声をもとにした課題解決のプロジェクト案が作成できたところで、大きな問題が出てきます。「え、これ誰がやるの?」

課題解決のプロジェクト案の進む道は?

ここからは、先ほどご紹介した、市民参加のプロセスの④共同決定に入っていきます。作成した課題解決のプロジェクト案の実施に向けて現実的に動いていく段階です。

市民参加のプロセス(共同決定)
~市民参加のスペクトラム(IAP2)を参考に作成~

具体的には「プロジェクト会議」を発足します。
プロジェクト会議とは、作成した解決策案の中から「どれを実施するのか」「どういった内容で進めていくのか」協議を重ねていく場になります。

プロジェクト会議のメンバーは、出来る範囲で一緒に動いていただきながら、自分たちで方向性を決めて、進めることができます。プロジェクト会議でも、会議の際にオンラインでの参加も可能とするなど、できるだけ多様な関わり方が設けられればと考えています。

プロジェクトと言っても、決して最初から大きいことに取り組めるとは思っていません。まずは、ちょっとしたまちの課題を地域の皆さんで一緒に考えながら、限られた資源の中で解決する、そんな形を一緒に創っていければと考えています。

そのためには、地域の皆さんがよりまちづくりに参加しやすい「多様な関わり方があること」「自分たちで決めることができること」の2つが大切なのではないかと思っています。

西鎌倉地域で本格的に取組がスタート!

そして、この仕組みをこれから西鎌倉地域で実施していく予定です。

7月6日からオンラインプラットフォームで意見募集を開始しました!

まずは、こちらのオンラインプラットフォームで皆さんの意見やニーズを募集していきます!「意見を投稿するのはちょっと」という方も皆さんの意見を見てみることもできますので、是非ご参加ください。