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デジタルを活かした鎌倉のまちづくり~地域の地域による地域のためのプロジェクト

これまで2回の記事にわたり、シリーズ「デジタルから見た世界のまちづくり」として、スペインのバルセロナ、フィンランドのヘルシンキで進められている、デジタルを活用した新しいまちづくりの取組について見てきました。
そこで今回の記事では、昨年度から西鎌倉地域で進めている、デジタルを活用した新しいまちづくりの様子を少しお伝えしたいと思います。
世界を見て、自分たちのまち「鎌倉」を見る、といった感じですかね。


鎌倉は対面?なぜ今ワークショップなのか

それでは早速、9月24日に開催した西鎌倉地域でのワークショップの当日の様子をお伝えしたいと思います。

あれ、対面?会うの?
これまで世界のオンラインプラットフォームを活用した新しいまちづくりの事例を見てきたのになんで?と思われたのではないでしょうか。

ワークショップの様子をお伝えすることには、ちゃんと意図があります。
それは、鎌倉が目指す新しいまちづくりの仕組みは、「オンラインでの議論(オンラインプラットフォーム)」と「対面での議論(ワークショップ)」との組み合わせだからです。

ではなぜこの2つを組み合わせることが必要なのでしょうか?
それは、新しいツールであるオンラインプラットフォーム、従来から実施されてきたワークショップ、それぞれにメリットとデメリットがあるからです。

オンラインと対面での議論の組み合わせ

お互いを組み合わせて議論を進めることで、デメリットを補完できるだけでなく、メリットの相乗効果で議論の質が上がっていきます。

オンラインでの「発散」と対面での「収束」

では、実際にどう組み合わせているのかご紹介しましょう。

7月からオンラインプラットフォームで「西鎌倉にあったらいいな」について意見やアイデアを募集したところ、32件の投稿が集まりました。
この32件のアイデアは、地域の方が普段生活の中で感じている意見であり、プロジェクトを考えていく際の「アイデアの種」となります。
そこで、このアイデアの種をもとに、新しいものを創り出す共創の場として開催したものが、9月24日に開催したワークショップです。

広く意見やアイデアを募集しやすいオンラインプラットフォームに対し、短時間で濃く活発な議論を行うことができるのが対面のワークショップです。

議論の「発散」と「収束」

実際に、9月24日に開催したワークショップでは、32件の西鎌倉地域にあったらいいなの投稿をもとに、これから西鎌倉地域で進めていく「地域プロジェクト」を考えていきました。

オンラインへの投稿からプロジェクトが生まれるまで

当日は、オンラインプラットフォームに投稿された32件の意見やアイデアをもとに、西鎌倉地域で進めていく地域プロジェクトを次の流れで考えていきました。

STEP①/オンラインに投稿されたどの意見が気になる?
STEP②/地域プロジェクトのイメージを「言葉」で具体化させてみよう!
STEP③/地域プロジェクトのイメージを「絵」で具体化させていこう!
STEP④/地域プロジェクトの実現に必要な「準備」を洗い出してみよう!

9月24に開催したワークショップの進め方

まずはSTEP①、オンラインプラットフォームに投稿された意見やアイデアの中から、「共感」できるフレーズを洗い出しました。プロジェクトの基礎となる土台選びです。

次にSTEP②、共感した「フレーズ」をベースに、地域プロジェクトのイメージを考えました。「5W1H」をベースにプロジェクトの内容を「言葉」で具体化します。

そこでSTEP③、先ほど「言葉」で考えた地域プロジェクトのイメージを「絵」にしました。絵にしていくことで、5W1Hの段階ではまだバラバラだった皆さんの地域プロジェクトイメージを1つにまとめます。

最後にSTEP④、地域プロジェクトを実現するにあたって必要となる「資源」や「人材」の点から、実現可能性について考えました。

地域プロジェクトを考えている様子

この大きく4つのプロセス、計2時間のワークで、西鎌倉で進めていく地域プロジェクトを考えました。

プロジェクトのキーワードは「地域住民」と「交流」

それでは、ワークショップで生まれた4つの地域プロジェクトを見ていきましょう。

①広町緑地を使いたおす!!
広町緑地で、工作体験やマルシェなどのイベントを開催しながら、地域住民が交流する場づくりを進めていくプロジェクトです。

②地域コミュニティベースを作ります!
行政センターでカフェやマルシェ、祭りなどのイベントを開催しながら、地域住民が交流できるコミュニティベースを作るプロジェクトです。

③地域交流拠点の整備
地域住民が交流できる小規模な拠点を各地に整備し、その情報をオンラインで共有して、交流を生むプロジェクトです。

④地域主催の運動会に子どもを呼ぶプロジェクト
地域の子どもたちが地域の人たちと交流し、地域のことを知ることができる地域の運動会を開催するプロジェクトです。

地域プロジェクトの発表の様子

4つの地域プロジェクトの内容はそれぞれ異なりますが、どのプロジェクトも「地域住民」「交流」の2つがキーワードとして入っています。
そして、地域住民と交流するための「場」「イベント」が今の西鎌倉地域に必要とされていることが見受けられます。

今回は、鎌倉のデジタルを活用した新しいまちづくりについて紹介していきました。
鎌倉の新しいまちづくりの仕組みは「オンライン」と「対面」での議論の組み合わせです。幅広く意見を集めるオンライン(議論の発散)と議論を活性化させる対面(議論の収束)を重ねていくことで、多様な人にとって参加の裾野が広がるだけでなく、議論の質までも上がるんです。
皆さんにとって参加しやすい方法で、気軽に意見を言ってみてください。

プロジェクトの今後

さて、今回のワークショップで生まれた地域プロジェクトですが、年度内の実施に向けて進んでいきます。
既に10月11日から、ワークショップで生まれた4つの地域プロジェクトに対する皆さんのアイデアをオンラインプラットフォームで募集しています。
(アイデアの投稿はこちらから可能です!)

プロジェクトをよりいいものに、より地域のニーズに沿ったものとしていくためには「もっとこうした方がいいんじゃない?」といった投稿をどんどんお寄せください。