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「かまくらシラス」漁の解禁日って知ってる?

こんにちは、市民ライターの原です。
鎌倉の旬の魚介類情報を発信する「鎌倉おさかな旬報」note。
大変お待たせいたしました。
第2回は鎌倉を代表する魚「シラス」!

皆さん「かまくらシラス」には、漁の解禁日があることを知っていますか?

鎌倉のシラスは毎年3月11日。待ちに待ったシラス漁が解禁となります。
「生シラスあります」の看板やのぼりが店頭に立ち始めると、とてもシラスを食べたくなりますね。

今回は漁師歴29年、鎌倉しらす三郎丸の原勇司さんに、シラス漁とおすすめの食べ方についてうかがいました。

鎌倉で水揚げされたシラスの釜揚げ

鎌倉の水揚げ量第1位のシラス。
実はシラスという名前の魚ではなく、イワシ類の稚魚を総称してシラスと呼びます。
イワシ類の中でも、鎌倉で獲れるシラスのほとんどはカタクチイワシの稚魚で、ウルメイワシやマイワシの稚魚もわずかに混じります。
カタクチイワシは、地元ではシコイワシの別名で通っているそうです。
シラスは主に沿岸部を群れで回遊し、プランクトンなどを食べています。

漁の最盛期は5月~7月!

鎌倉・江ノ島地域でのシラス漁は、禁漁期間(1月1日~3月10日)を除く3月11日から12月までが出漁期間です。

漁の最盛期は5月から7月。春先はシラスが黒潮の支流にのって鎌倉湾内に入り込み、豊漁になります。その後夏にかけ、相模湾などの近場で親イワシが産卵するため、夏以降にふたたび漁獲量が増えるのです。


シラス漁の様子

シラスの群れは、曳網《ひきあみ》という漁法でねらいます。

シラスの群れを魚群探知機で探し、群れ全体を囲むように仕掛けた網を船で曳いて追い込みます。

群れを見つけることは、魚群探知機があっても容易ではありません。
透明度が高すぎる海、いわゆる潮が良すぎる状態だと、他の魚(親魚であるイワシを含む)から逃げて岩場などに隠れてしまいます。
群れを発見しても、他の魚や稚魚の群れが多く混ざっている場合は、加工後にシラス以外のものを取り除く大変さから、獲るのを諦めることもあります。

だからこそ、大漁の時、しかもエビなどの混じりのないおいしいシラスが獲れた時は、格別なうれしさがあるそうです。

シンプルに豪快に! 原さんイチオシ「シラス丼」

水揚げされたシラスは、天日干しや釜揚げの他、いろいろな方法で加工されて流通しています。

生シラス:水揚げしたそのまま
釜揚げシラス:鮮度のよいうちに大きな釜で茹で、軽く湯切りしたもの
天日干し:釜揚げシラスをせいろに広げ、天日で2~3時間干したもの
ちりめん:天日干しをさらに乾燥させたもの
たたみいわし:生もしくは一度茹でた後、薄い板状に乾燥させたもの

その中でも、イチオシのシラスの食べ方は「釜揚げシラス丼」!

漁師さんおすすめのあかもくしらす丼

釜揚げシラスを炊き立てご飯に乗せたシンプルな一品。大粒で旨味があり食べ応えがあったり、小粒で少し物足りなかったり……。その日獲れたシラスの大きさや美味しさがダイレクトに味わえます。
また、新鮮な生シラスはかき揚げに、旨みが強い天日干しシラスはチャーハンやお茶漬けもおすすめです。

相模湾でとれるシラスは、かながわブランド「湘南しらす」として直売所や飲食店などでとして直売所や飲食店などで取り扱われています。ぜひ、いろいろな食べ方で楽しんでくださいね!

漁師の原さん


■今回、シラスについてご紹介くださった原さん

水産高校卒業後、漁師の道に進んで29年。
主にシラス漁をしており、禁漁期間や不漁続きの時期は、刺網漁で鎌倉エビ、覗突漁でサザエなどを獲っています。親のイワシも含め、「シラスを日々の食卓を彩る存在したい」と願って漁に励んでいらっしゃるそうです。趣味はボルダリング、映画鑑賞、漫画を読むこと。

■次回予告、鎌倉おさかな旬報note、次回は「カマス」!
意外と知らないカマスの生態と旬の調理法をご紹介します。次回もお楽しみに!

Text : 原 悠瑞 (市民ライター)

#鎌倉市 #海のあるまち #ミヅキカマクラ